プリウス徹底解説。中古車購入には注意も必要なハイブリッドカー

トヨタのプリウスは現行モデルが3代目となっていて、中古車を購入するなら2代目以降がおすすめです。また2015年にはTHSーⅢ搭載の新型モデルが登場する可能性もあります。
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トヨタ_プリウス歴代モデル徹底解説

長年国産車の販売ランキング不動の1位だったカローラを打ち破ったのは、現在はエコカーの定番としてすっかり定着したプリウスです。
ガソリン価格の高騰もあり、燃費の良いハイブリッドカーを求めるユーザーも多いですが、通常のガソリン車と比べて新車価格が高めなのがネックとなっている人も多いでしょう。

トヨタプリウスの歴代3車種

そこで注目を集めているのが中古車です。
最近では現行モデルのタマ数も増えてきて、中古車選びの選択肢としてもプリウスは非常にポピュラーな車種となっています。

歴代のプリウスごとに、中古車としての特徴やポイントを紹介します。

初代 NHW10・11(1997年-2003年)

初代トヨタプリウス

概要

世界初の量産型ハイブリッドとして、世界中の注目を集める中発売されました。
販売価格は同規格のカローラより約60万円高い215万円で当初は10・15モードでリッター28kmと強烈なインパクトを与える低燃費性能で、それまで高級車を乗っていたハリウッド俳優も相次いでプリウスに乗り換えるなど、エコカーブームの火付け役にもなりました。

値段の高さや実用燃費の悪さ。ハイブリッドカーに対する世間の認識不足やバッテリー交換費用などの不透明感も強く、現在のプリウスのような大ヒットにはならず、最終年には年間販売台数が1万台を割り込みヒット車とはなりませんでした。

スペック

全長:4,275~4,310mm
全幅:1,695mm(5ナンバー規格)
全高:1,490mm
燃費:28~31km/L(10・15モード)
新車価格:215万円~
中古車相場:20万円~50万円

程度が悪い車については廃車になる事もあるモデルとなっています。
新車でも売れていた車ではないので、タマ数自体も非常に少なく格安中古車が主流となっています。
程度の良いものでは50万円を超える中古車もあります。

安くても初代モデルはオススメできない

初代モデルは最終型でも10年以上の型落ちとなり、安値で販売されています。
しかし、どれだけ安くてもおすすめはできません。

THS(Toyota Hybrid System)の初期モデルではバッテリーの自然放電が多く、寿命が短くなります。
また修理交換費用も現行モデルと比べて非常に高価となる為、流通している中古車のほとんどが大幅にバッテリー性能が低下していると言えるでしょう。

プリウスの初代THSシステム

初代プリウスを中古で購入するのであれば、同年式のガソリン車を買った方が走行性能もランニングコストも優れています。

当然ながら、売却する際の車買取価格もびっくりするほど低い査定になります。

2代目 NHW20(2003年-2011年)

2代目プリウス

概要

初代の4ドアセダンから5ドアハッチバックに形状を変えた大規模なフルモデルチェンジとなった2代目プリウスは、ハイブリッドシステムを変更し、THSーⅡを初めて搭載される車となりました。
このTHSーⅡというハイブリッドシステムは世界中で非常に高い評価を得て国産メーカーや海外メーカーなど多数の他社にもTHSーⅡが採用されるなど、車業界を変える革新的なパーツとなりました。

現行の3代目プリウスやアクアなど多数のモデルに採用されていて、登場から10年以上経過しても現役最強とも呼び声が高いハイブリッドシステムです。
モーターのみでの走行が可能なEVモードを採用されたのも2代目からで、ハイブリッドカーはいつエンジンがかかって、いつ止まっているか分からないくらい静寂性に優れていると評判になりました。

THSーⅡシステム

スペック

全長:4,445mm
全幅:1,725mm(3ナンバー規格)
全高:1,490mm
燃費:30~35.5km/L(10・15モード)
新車価格:189万円~
中古車相場:70万円~120万円

2代目プリウスの室内

2009年に後継の3代目プリウスが発売されましたが、新型の人気や価格競走への参入防止の為、2011年まで2代目も併用販売されるという大衆型乗用車では極めて珍しい方法が取られました。
最近では、歴史的大ヒットとなった3代目のタマ数が増えた為、型落ちとなる2代目モデルの値落ちが目立っています。
まだまだ現役の中古車も多数有り、2代目は狙い目とも言える選択肢でしょう。

程度の良い2代目はおすすめ

どうせなら、3代目に乗りたいと思う人も多いですが、思う事は皆同じで2代目の中古車相場は値落ちが目立っています。
タマ数は一気に減りますが、3代目と併用販売された2009年~2011年では経年数に対しても割安感があり、状態の良い中古車も多数あります。

根本的はハイブリッドシステムは同じTHSーⅡを採用されているので、実用燃費はほとんど変わらず、外観も比べれば見劣りはあるものの3代目もキープコンセプトですので実用性もそこまで変わりません。

3代目との比較をすると同じTHSーⅡでも電子制御技術が発達しているので若干3代目の方が燃費も寿命も改善はされていますが、違いは微々たるもので走行用バッテリーの交換費用も3代目と変わらずおおよそ13万円ほど。
寿命も短く交換費用に約40万円必要だった初代と比べると、多少高くてもプリウスは2代目以降がおすすめで、価格とスペックのバランスで考えれば3代目よりも効率が良いと高く評価できます。

3代目 ZVW30(2009年-)

3代目プリウス

概要

2009年にフルモデルチェンジを行いましたが、2代目で注目を高めていたプリウスは3代目のデビューと共に歴史的な大ヒットを遂げました。
エコカー減税なども追い風となり、最大で新車が10ヶ月待ちになるなど大衆型乗用車としては異例の事態となりました。

3代目プリウスの室内

新車販売ランキングでカローラを抜いて首位に立ったのもこの3代目プリウスとなっています。
車自体は2代目のキープコンセプトとなり、シルエットもほとんど変わらず2代目に引き続きTHSーⅡを採用されています。

一番の変更点はエンジンを従来の1.5Lから1.8Lに変更し可変バルブの採用などエンジン自体の性能向上を行ったのと、ボディーサイズも一回り大きくなりました。
モーターは小型・軽量化やトルクアップなどが行われ、バッテリーの自然放電をより高く防止する電子制御にも改良が加えられました。

ハイブリッドカーは非力と言われていた難点をエンジンとハイブリッドシステムの双方から改善され完成度が高い1台となりました。

スペック

全長:4,460mm
全幅:1,745mm(3ナンバー規格)
全高:1,490mm
燃費:30.4~32.6km/L(JCO8モード)
新車価格:205万円~
中古車相場:110万円~240万円

爆発的に売れているモデルだけあって、デビューから5年経過した事で前期モデルのタマ数は増加傾向にあり中古車相場も下落してきています。
排気量が上がり、エンジンの負担も少ないハイブリッドカーだけに、高年式で走行距離が多くてもエンジンの痛みは少ないです。

走行用バッテリーの交換歴がある中古車が狙い目で、バッテリーさえ不安がなければ走行距離が多少多くても気にならないでしょう。
今後2回目の車検ユーザーや来年発売が予想される4代目プリウスの発売時期次第では、中古車相場がもう一段下落する懸念もあります。

中古車の購入・売却には注意が必要

発売当初は絶大な人気があり、デビュー3年ほどは中古車も品薄状態が続いていましたが、ここに来て一気にタマ数が増えてきています。
こういった事情よりも今気になるのが4代目プリウスの情報です。
新しいハイブリッドシステムTHSーⅢが搭載予定で、燃費もデザインも一新される事が濃厚で発売時期も順調に行けば2015年中には登場予定となります。
歴史的ヒットして高い評価を受けている3代目プリウスもハイブリッドシステムは先代から受け継ぐTHSーⅡで外観もキープコンセプト。
2代目から累計すると歴史も長いために、次期プリウスとTHSーⅢが発売されるインパクトは大きいと予想されます。

4代目プリウス発売か?

これにより、1年後には今と比べても大きく値落ちする可能性を考えると、購入時期も売却時期も見直しが必要になってくるのではないでしょうか。