方向性もキャラクターも異なる2台

ベンツとBMW。永遠のライバルである両社がメイン車種Cクラス、3シリーズを極限までパワーアップしたC63とM3。数あるライバル関係の中でも最も優劣がつけ難い2台です。
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【ベンツ VS BMW】 500万以下スーパースポーツ編

ベンツ代表:C63AMG(W204 2007年-2013年)

ベンツC63セダン

概要

全長:4,720mm
全幅:1,795mm
全高:1,440mm
ホイールベース:2,765mm
車両重量:1,800kg
エンジン:V型8気筒6.2L(457PS 61.2kg-m)
新車価格:1,100万円

BMW代表:M3セダン(E90 2007年-2014年)

E90M3セダン

概要

全長:4,585mm
全幅:1,815mm
全高:1,435mm
ホイールベース:2,760mm
車両重量:1,660kg
エンジン:V型8気筒4.0L(420PS 40.8kg-m)
新車価格:1,020万円

中古車相場

ベンツC63AMG(W204)

例1)
平成20年式(2008) C63AMGセダン 走行距離2万km~3万km 中古車相場400万円~500万円

例2)
平成22年式(2010) C63AMGセダン 走行距離3万km~5万km 中古車相場480万円~520万円

BMW M3セダン(E90)

例1)
平成20年式(2008) M3 4.0セダン 走行距離3万km~5万km 中古車相場440万円~490万円

例2)
平成22年式(2010) M3 4.0セダン6MT 走行距離3万km~5万km 中古車相場480万円~520万円

中古車相場について

両車ともタマ数は非常に少ないです。
どちらも年式からしてみたら値落ちも少ないと言えますが、比べるとM3セダンの方が高値で流通している傾向があります。
M3セダンにはMT車の設定もあり中古車市場では若干安めとなっています。

デザイン

ベンツC63AMG(W204)

ベンツC63のデザイン

歴代のCクラスの中でもW204は最も迫力があるデザインといえます。
スマートよりもカッコイイ。スポーティーを重視したデザインですので、AMGモデルの大型エアロバンパーとは非常に相性が良く、ベンツ全車種の中でもスポーティという面でのデザイン性はトップレベルと言えます。

好き嫌いが分かれるデザインでもありますが、AMGモデルとしては現行よりもW204を好むユーザーも多いです。
フロントマスクだけではなく、フェンダーは大型化され、コンパクトセダントップレベルのエンジンV8エンジン6.2Lを象徴するリアの4本出しマフラーは強烈なインパクトを与え、通常のCクラスと比べ充分すぎるほど差別化しています。
他のAMGモデルと比べてもノーマルグレードとの見栄えのインパクトの違いは大きい内容となっています。

BMW M3セダン(E90)

E90M3のデザイン

ほとんどがM3専用デザインのパネルとなっていて、フロント・サイドパネルにはエアインテークデザインとなっています。
アルミ製ボンネットにはパワードームを設置。近くで見れば3シリーズとは全く違ったスポーティーな印象が強いです。

ベースは3シリーズのクーペとなっていて、フロントマスクはセダンというよりもクーペらしい印象があり、好みが分かれますが、全体的にさりげない演出が盛りだくさんで、車好きにはたまらないデザインです。

リアの外観は控えめなスポイラーとバンパーでシャープさと上品さが出ていて、C63AMGの極端にいかついフォルムと比べると落ち着いた内容。
ハイパワーモンスター車ではなく、あくまでもライトスポーツを追求された、まとまりがある全体像となっています。

走行性能

ベンツC63AMG(W204)

ベンツC63のエンジン

AMGの渾身作となるM156エンジンを採用。
従来のM113(5.5L)搭載モデルのW203と比べてもエンジンだけで見ても中古車としてW204を選ぶ価値があると言えます。

SLクラスまでの多くのモデルに搭載されているAMGチューンの6.2Lエンジンはまさしくモンスター級で、現行のC63AMGにも同様のエンジンが採用されています。
時速0km-100kmは4.5秒となっていて、NA車の中では世界最速レベル。

M3と比べても、ハイパフォーマンスサルーンとして生まれ変わったC63AMGはパワーという面では圧倒的な実力差を見せています。
足回りは重たい車体を支えるだけあって、ガッツリ固めのセッティング。コーナリング性能は言うことありませんが、キツめの段差は少しストレスとなります。

BMW M3セダン(E90)

E90M3のエンジン

4.0LV8エンジンはC63と比べると物足りなく見えますが、このサイズなら申し分ない内容。
歴代のM3モデルの中でも走りに徹したモデルでありながら、街乗りの扱いやすさも高く、トータルバランスが取れています。

C63は大排気量でトルクで走るエンジンなのに対して、M3はレブリミットが8,400rpmと高回転型。

お手軽に走りを楽しめるという面では断然M3がおすすめとなっています。
V8エンジンを搭載されたにも関わらず軽量化された車体は軽快で、スポーツ走行でも高い戦闘力を持ちながら街乗りでの乗り心地もそれほど悪くありません。

6MTの設定があるのが物語っている通り、単純にスペックにこだわった車ではなくて、乗り手の満足度を追求した車と言えるでしょう。

居住性

ベンツC63AMG(W204)

ベンツC63の室内

運転籍助手席はホールド感抜群で高級感もあるスポーツシート。
座り心地も抜群で硬すぎないクッション性に優れたシートで運転席と助手席は申し分ありません。

後部座席については大人が5人乗車する事もできますが、フル乗車では少し窮屈な印象。
シートはしっかり作られていても足元スペースが物足りないです。

大型エンジンを搭載していますので車体の割に居住性がそれほど高くないのは、構造上の問題で妥協点として見るべきです。
ワゴンの設定もありますのがCクラスAMGの特徴で積載性だけでなく、天井の圧迫感もワゴンであれば緩和されてゆとりが出てきます。

BMW M3セダン(E90)

E90M3内装

外寸も小さく、スタイリッシュに見せるデザインだけに居住性に不安を感じる人もいますが、乗ってみると意外と広いのがM3セダンです。
全長が長いC63AMGに比べても後部座席は広く作られていて大人を後ろに乗せても、それほど窮屈ではなく、ファミリー層からも支持されています。

運転席は、助手席のシートは適度なホールド感がありつつ、ゆとりのあるシートで、狭すぎず、広すぎず丁度良いスペースを確保できているといえます。

しっかりした居住性を確保しながら、ラグジュアリー嗜好にいかない所が走りを重視するファンから支持を集めています。

アフターパーツ

ベンツC63AMG(W204)

C63AMGだけに言える事ではないが、AMGのコンプリートモデルとなり完成されている車。
社外品も出ていますが、変に手を加えると車買取時の評価が落ちる事もあります。
スポイラーなどちょっとしたカスタムが人気です。

BMW M3セダン(E90)

C63AMG同様完成された車ではありますが、比較すればカスタムの余地はあります。
M3専用パーツのラインナップもあります。

ホイールを社外に替える人もいますが、おすすめは純正のM3の良さを活かすようなさりげないカスタムです。

総評

よく比較される車種ですが、方向性が違いますので甲乙付け難い所もあります。
両車とも、このクラスのダウンサイジングが進む傾向があり、狙い目のモデルとも言えます。

エンジンスペックやハイパワーを求めるならC63AMG。実用的な戦闘力や走る楽しさ・居住性とのバランスを考えるのであればM3がおすすめと言えます。

今後、このクラスでは大排気量が発売されない可能性を考えるとC63AMGの方がこの先希少性が高まる中古車かもしれません。